新垣結衣
【好き】と言う資格が今の俺にあるのかな。結衣と過ごした4年は今でも鮮明に覚えてる。忘れていない。忘れない。
北海道の冬の寒さを言い訳に、狭いシングルベッドで身を寄せ合った何気ない日々。もう二度と戻って来る事は無いと噛み締める度、今でも自責の念に駆られるんだ。
寝息すら愛おしかった。そっと髪を撫でると、微かに開く瞼。
「ごめん。起こしちゃった?」
結衣は虚ろな目でそっと微笑むと、何も言わず俺の手を引き寄せた。
かさつく冬の唇をそっと重ね、互いの体温を感じながら、分け合いながら、俺たちは静かに春を待った。
今でも微睡みの中、不意に君の夢を見る。
その度にベッドが変な汗で濡れるんだ。
またもう一度君と笑い合いたい。もう叶う事のない儚い夢。
俺が丸谷勇斗ではなく、リボルバーズ丸谷として生きてくと決めた日、俺は結衣に別れを告げた。
涙を流す結衣の姿を見て、俺も涙が溢れるのを必死に堪えてたんだ。かっこ悪い姿をお前に見せたくなくて。別れの言葉もロクに伝える事が出来なくてごめん。微かに震える自分の声を隠してたんだ。情けないよな。
あれから4年経った今、
この空は一体、君にとって何色に見えてる?
俺はもう寒さに慣れちゃったな。
あの日の決断が正解か不正解かなんてわからないけど、俺は今胸を張って生きてる。もう振り返らない。決めたんだ。
互いに別々の路を歩いてる今、最後に君に伝えたい事が1つある。